online casino virtual reality

衝撃!圧倒的なリアリティで迫るネットカジノVRの世界

あなたはVRを実際に経験したことがあるだろうか? 昨年のことだが、東南アジアから帰国した友人が、東南アジア製のVR機器をお土産にくれた。スマートフォンを取り付ける形のVRゴーグルだった。白いプラスチックのゴーグルとゴムのバンドとレンズを取り付けたものだが、低クオリティのおもちゃではなく、レンズの位置を調整できたり装着感も悪くない。値段は500円もしないと聞いて思わずため息が出た。日本でこれだけのものを気軽に買えるだろうか?   早速手持ちのiPhoneを取り付けてのぞいてみた。それは今までのものとは全く違う世界だった。自分の周りが一面取り囲まれていて、不思議な蛍光色の模様が現れる。本当にその場に「いる」感覚だった。その瞬間、これが未来のエンターテイメントになると深く感じた。その場にいるので面白さが全く異なる。ホラーを体験すると鳥肌が立つ。心臓がばくばく鳴る。ポルノは180度違う。VRを見た後だと普通のものではまったく物足りない。たんなる「傍観者」でしかないからだ。   今インターネットカジノが世界で人気になっている。よく「ネットカジノ」と呼ばれるが、ネットカジノとは要するにインターネット上で遊べるカジノのことだ。デジタルの仮想通貨が便利に使えるようになり、煩わしい身分確認も不要になったのとウェブベースの技術が向上してリアルの店舗とほぼ変わらないクオリティのゲームを自宅で楽しめるようになったからだ。   このネットカジノがVRで遊べるようになるのはおそらく数年以内だろうと思う。   今のカジノも面白い。だが結局パソコンで遊ぶものの範囲から抜け出していない。だがVRは違う。VRを使うと(視線誘導で)仮想空間を歩き回ることができる。そしてその仮想空間には現実のような制約は何もない。たとえば白亜紀の世界でもいいし、モンスターハンターの世界でもいいし、魅惑的な女性や男性があふれんばかりの部屋を作ったっていい。プレーヤーはその空間を楽しみながら、ゲームをプレイすることができる。ネットカジノの「カジ旅」はRPGの要素をカジノに取り込んでいるが、これをもっとリアルで没入感を圧倒的に深くしたものだ。   ルーレット台にいくと、VRなら目の前に魅力的なディーラーがいて、自分の手元にチップがあるのがリアルに感じられるはずだ。周りを見渡すと他のプレーヤーだっている。適度にざわついていて、熱くて、うわづったようなあの独特の空気を感じることができるだろう。

インターネット上カジノのセキュリティ|仕組み

オンラインカジノを安心してするために、求められているのは安全性です。もちろん、オンラインカジノは、信用でき、広範囲なセキュリティシステムを利用して、 インターネット上で送信される全ての情報が保護されなければなりません。   オンラインカジノとは オンラインカジノは、まさに手軽に楽しむことが出来るラスベガスです。実際にお金が絡む問題なので、どのように運営されているかもとても気になります。 買ったときの賞金はきちんと支払われるのか?、ひょっとしたら騙されてしまうかも……という思いでは、決してオンラインカジノを楽しむことは出来ません。 オンラインカジノにとって一番大事なことは、安心できるセキュリティシステムです。 オンラインカジノは各国の政府によって公認されている オンラインカジノを多くの人たちに安心して体験してもらうために、オンラインカジノの運営が合法な国によって、オンラインカジノを運営している会社が、 政府からカジノを運営するライセンスを発行してもらって、 更に、カジノプログラム開発会社のゲームソフトウエアの使用をしています。 更に、 資金のやり取りを管理する決済会社があり、 ソフトの定期検査を行っている大手審査機関の存在があり、セキュリティが維持されています。 オンラインカジノを運営するため、政府発行のライセンスを取得するには、 運営企業の経歴や経緯、現状の把握、背後関係などが厳しく公平に審査されることになります。 安心してオンラインカジノをしていただくためにみなさんが注目しなければならないのはこのライセンスなのですが、一方では、ライセンスのない悪質なオンラインカジノも未だ存在しています。   オンラインカジノ用のゲームソフトを開発しているソフトウェア会社 オンラインカジノ会社は、オンラインカジノ用のゲームソフトを開発している現在100社を超えるとも言われるソフトウェア会社と契約をして、 ソフトウェアの使用権を得ることになります。ソフトウェア会社も、同様にして信頼される会社である必要があります。 そこでは、 人為的に不正な操作ができない、 厳重なプロテクト技術が必要であり、どのような状況下においても、 すべてのゲームが公正に行われるように精度の高い、レベルの高いソフトウェアが開発される必要があります。 […] Read More

24期塾生募集】人工知能、ロボット、人の心

ロボットと人工知能が、大きく進化するフェーズに入った。 そう断言できるのは、3つの根拠があるからだ。 1つはデータ量が爆発的に増え始めたから。 データ量が多ければ多いほど、人工知能は「人間のような」働きが可能になる。「こういう場合に人間はどう受け答えするか」というデータがあれば、それに近いことをすることで、コンピューターはより「人間らしく」振る舞えるからだ。 スマートフォンという高性能コンピューターを一人一台持つ時代になったことで、人間のデータが無数に蓄積されるようになり、その結果、人工知能はより「人間らしい」受け答えが可能になろうとしている。 カーネギーメロン大学のTome Michell氏は「コンピューターはこれまで人間の言語をほとんど理解できなかったが、この10年でかなり理解できるようになるだろう」と2年前に語っている。今、まさにわれわれは劇的進化のまっただ中にいる。 2つ目の根拠は、IBMの人工知能「Watson」をサービスとして利用できるようになったから。 米IBMは9月16日にWatsonを活用した分析サービス「Watson Analytics」を発表した。高額コンピューターを所有しなくても、使用した分だけの料金をIBMに支払うだけで、だれでもがこの人工知能を利用できるようになった。これからはスマートフォンのアプリであっても、バックエンドにIBMの人工知能が動いている、ということが普通になってくるだろう。 IBMはニューヨークの癌専門病院と共同でWatsonを用いた医療向け人工知能の開発を薦めている。患者の個人的症状、遺伝子情報、家族及び本人の病歴、関連しそうな60万件の医療エビデンス、150万人の患者記録、200万ページ分の医療論文を記憶し検索することで、的確な診断結果と、一人ひとりに最適の治療方法を提案できるようになるのだという。急速に進化する医療の世界で、人間の医師が最新の治療法を知り尽くすことが難しくなってきている。大量のデータを処理できる人工知能に、判断を任せたほうがうまくいく時代になろうとしているわけだ。 シリコンバレーの著名投資家 Vinod Khosla氏はこうした医療向け人工知能の普及でいずれ「平均的な能力の医師は不要になるだろう」と語っている。「医療の90%から99%は医師の診断よりも、優れていて安価な方法で対応できるようになる」という。ウエアラブル機器で日頃の健康データの推移をモニターし、それをベースに人工知能に接続されたスマートフォンアプリが、最適の予防法、治療法を提案する時代に向かっているわけだ。 そして同様のことが今後、いろいろな領域で起ころうとしている。 3つ目の理由は、ロボットが低価格になり汎用性を持ち始めたからだ。 コンピューターが社会に革命的な影響を与え始めたのは、パソコンが普及し初めてからだと言われている。パソコンが登場するまでのコンピューターは、高価で専門に特化したものだった。それがプログラムを変えるだけでどのような演算処理も可能になり、汎用機(メインフレーム)と呼ばれるようになった。その後、コンピューターは低価格化が進み、パソコンと呼ばれるようになった。そしてパソコンの低価格と汎用性が、オフィスの業務を大きく変え、社会を変えていった。 同様に、ロボットもこれまでは工場内の特定の動きに特化した高価なものが中心だった。それが低価格になり始めた。ソフトバンクが発売するPepperは約15万円。これまでのロボットとは1ケタも2ケタも安い。しかもプログラムを自由に書き換えられる。 Rethink Robotics社の双腕ロボットBaxsterも約30万円と低価格。手を持って動かすことで、手の動かし方を教えこむことが可能で、コーヒーメーカーを操作してコーヒーを沸かし、コップを設置してコーヒーを注ぐことができる。この低価格と汎用性で、広い範囲の職場での利用が期待されている。 こうしたロボットの利用が進めば、大量生産でさらなる低価格化や高性能化が進むものとみられている。正のスパイラルに入るわけだ。パソコンが正のスパイラルに入り一気にオフィスに普及したように、ロボットが今まさに、正のスパイラルに入ろうとしているわけだ。 人工知能やロボットは今後20年間で、先進国の半分近くの職を奪う結果になるという予測がある。大変な脅威である。そして時代の変化は、チャンスでもある。 われわれはこの時代の変化を目前に控え、どう対処すればいいのだろうか。人間はロボットと、どう付き合っていけばいいのだろうか。ロボットとの付き合い方に、未来の方向性がかかってきている。 【今期の見どころ】 ご好評をいただいています少人数制勉強会TheWave湯川塾では第24期のテーマを「人工知能、ロボット、人の心」と題し、直前に控えたこの時代変化について徹底的に議論したいと考えています。今回の講師はロボットビジネスの最先端のオールスターが集まった感じです。 […] Read More

米財界で禅が主流になった?教育、ビジネス、社会を変える「マインドフルネス革命」の兆し

ドフルネスは今や、米国社会の主流になった」。米有力ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」の創業者アリアナ・ハフィントン氏は、今年2月にシリコンバレーで開催されたカンファレンス「Wisdom 2.0」でそう宣言した。 マインドフルネスとは、禅の考え方や瞑想をベースにした心の訓練法。宗教色は一切排除し、科学的な根拠を示しているのが特徴だ。 同氏によると、マインドフルネスなどをベースにした社員訓練プログラムを提供する大企業、中規模企業が米国全体の35%に達している。また2014年のダボス会議では、同様のテーマのセッションが27も設けられ、多国籍企業のトップが熱心に耳を傾けたという。「ここまでマインドフルネスが受け入れられるようになるなんて、5年前にだれが想像できただろう」と講演を行ったウィスコンシン大学のRichard Davidson教授は語る。「マインドフルネスや瞑想は、社会の認知を得るというフェーズから、実際にマインドフルネスを利用して社会を変えていく実践のフェーズに入った」とハフィントン氏は語っている。 米有力誌タイムは、今年1月に「Mindful Revolution(マインドフル革命)」という特集を組んでいる。「革命」とは、ずいぶんと思い切ったタイトルだ。「革命」と呼べるほどの大きな社会変化が、本当に米国で起こっているのだろうか。 ▶脳スキャンで瞑想のメカニズムの解明進む タイムの特集記事によると、マインドフルネスに対する社会的認知が急速に進んだ背景には、瞑想のメカニズムの科学的な解明がある。 これまでも座禅、ヨガ、瞑想などが、精神面や健康面にいい影響を与えるという研究結果は幾つもあった。しかしそれは体験者の感想がベースになったものが中心。ところが最近は脳スキャンなどで、瞑想が実際にどのように身体に変化を与えているのかというメカニズムが解明され始めている。 科学的根拠が明らかになり始めたことで、さらにこの分野の研究が活発になっており、タイム誌によると、学術誌に発表されたマインドフルネスをテーマにした論文の総数は2003年には52件だったが、2012年には477件にも増えているという。 特に注目を集めているのが「ニューロプラスティシティー(脳の柔軟性)」という領域の研究だ。特定の行動を繰り返すことで、脳の回路が組み変わる、という現象のことだ。 ハーバード大医学部の研究者Sara Lazar氏によると、同氏を中心とする研究チームが、瞑想の前と後とで参加者の脳をMRI(磁気共鳴画像)検査機でスキャンしたところ、脳の一部領域に明らかな違いを確認できたという。 瞑想プログラムは、マサチューセッツ大学が開発した「マインドフルネスをベースにしたストレス減少プログラム(MBSR)」と呼ばれるもの利用した。これは瞑想やヨガを1日に1時間程度、8週間に渡って行うというもの。このプログラムを体験した16人の瞑想未体験者の脳をスキャンしたところ、学習や記憶、感情コントロールに関係するとみられている左海馬と呼ばれる領域が大きくなっていた。うつ病患者などはこの領域の灰白質が少ないことが確認されている。 また思いやりや同情に関連するといわれている側頭頭頂接合部という領域も大きくなっていた。反対に不安やストレスを抱えると灰白質が大きくなる扁桃体では、灰白質が少なくなっていた。 一方、ウィスコンシン大学のRichard Davidson教授の研究チームがこのほど発表した論文によると、短時間の瞑想で、遺伝子の発現に影響を与えることが分かった。遺伝子を家電製品に例えれば、瞑想することで遺伝子のオン、オフを切り替えたり、遺伝子のスイッチのボリュームを絞ったりできる可能性があるというわけだ。 論文によると、研究チームは19人の瞑想熟練者に8時間に渡って瞑想を続けてもらったあと、血液細胞の分子分析を行った。その結果、炎症関連の遺伝子「RIPK2」、「COX2」と、数個のHDAC遺伝子に影響があることが分かった。特に、コルチゾールと呼ばれるホルモンの生成に関係する遺伝子のスイッチのボリュームが下げられていることが分かった。コルチゾールはストレスなどによって生成され、分泌される量によっては、血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらすという。 瞑想が健康を促進する身体メカニズムの1つが解明されたわけだ。 ▶企業、軍、学校でも、「国を挙げて」瞑想 このように瞑想のメカニズムが科学的に解明されてきたおかげで、瞑想が持つ「怪しい」イメージが払拭されつつある。またそれに伴い、瞑想実践者であることを公表する財界人が増えている。 ハフィントン氏によると、2013年になって、Salesforce社のCEOのマーク・ベニオフ氏が瞑想実践者であることを公表したほか、世界最大のヘッジファンドBridgewater社のCEO、Ray Dalio氏も40年以上瞑想を続けていることを明らかにした。また米国第3位の生命保険会社AetaのCEO、Mark T. […] Read More

天職を収入源にしない生き方。でも名刺の肩書きには書く【湯川鶴章】

[読了時間:4分] 「好きなことを仕事にできるのは最高の幸せ」ー。ずっとそう思ってきたし、実際に自分のこれまでの人生の大半は好きなことを仕事にできて本当に幸せだと思ってきた。(新聞記者になった経緯)なので、自分の子供には「好きなことを仕事にしたほうがいいよ」って薦めている。 でも好きなことって仕事にしないほうがいいんじゃないだろうかって思うようになった。 その前に「好きなこと」「天職」の定義なんだけど、「自分が心からやりたいこと」でかつ「社会のためになること」としておく。人間には怖れがあって、その怖れに人生をコントロールされていると、自分の心からやりたいことが見えにくくなる場合がある。例えば「自分の尊厳を軽視されるのではないか」という怖れ。平たく言えば、ばかにされたくないという気持ち。その気持ちが大きくなりコントロールが効かなくなると、見栄なのか、本当にしたいことなのかが分からなくなる。 心からワクワクすることで、しかもそれが社会のために役立つのであれば、それは天職。これを仕事にできれば、本当に幸せなことだと思う。20世紀にも、一部の人は幸運にもこれを仕事にできて豊かな人生を送れた。僕自身もかなりラッキーな半生だったと思う。 でも21世紀になりインターネットが普及したことで自分のやりたい事が比較的簡単にできるようになった。僕の領域である文章による自己表現もブログを使ってだれでもできるようになった。音楽、映像も同じように表現者は増える一方だろう。また何か大きなことをする場合も、これまでは会社を起こすしかなかったようなことでも、ネット上で仲間やボランティアを簡単に集められて、各種無料ツールを使ってかなりのことができるようになってきた。ちょっとした時間の隙間にできるようになってきた。 このため多くのプロの領域が侵食され、プロが成立しづらくなってきている。 それでもプロとしてやっていきたいというのであれば、かなり気持ち的に無理をしないといけなくなる。僕の場合なら、「もっと原稿を書かないといけない。じゃないと食っていけないから」と無理に駄文を乱発し、その結果、評価を落とすことになりかねない。 なので思うんだけど、21世紀って、天職を収入源にしないほうがいいんじゃないだろうか。 心からやりたいことに関してはお金をもらわない、と覚悟を決めて生きていくほうがいいんじゃないか?気持ち的に無理することもないので、いい仕事ができる。なによりやっていて楽しい。私利私欲がないので、多くの人が支援してくれる。なので、もっと大きな仕事ができるようになる。好循環だ。 その結果、その周辺にビジネスが発生し、生活できるようになる。 ちょうどオープンソースソフトウエアのようなものかもしれない。オープンソースのエンジニアは、仲間と1つの目的に向かってコードを書くのが楽しいので無償でコードを書いている。でもオープンソースソフトウエアのサポート事業など、その周辺にビジネスが発生して、エンジニアは生活できている。 でもエンジニアのアイデンティティは、オープンソースソフトウエアのほうにあり、周辺のビジネスにあるわけじゃない。 そんなことを友人の勝屋久さんの講演を聞いて、ふと思った。勝屋さんは「プロフェッショナルコネクター」を名乗っている。人と人をつなげるのが仕事。でもそこからは一切お金をもらっていない。そうした活動が評価されて、講演やアドバイザーの仕事がくるので、それが収益源になっている。人をつなげる「仕事」の方は、この人とこの人とをつなぎたい、というインスピレーションが起こらない限りやらない。たとえお金をもらえたとしても、つなぎたくなければつなげたくないという。なのでお金はもらわないことにしているのだそうだ。 20世紀は、収入源にアイデンティティを置いて、収入源を名刺に書いた。でも21世紀は、収入源じゃないことにアイデンティティを置いて、名刺に書くようになるんじゃないか。 好きなことをしていれば、収入源はあとからついてくる。もしくは、会社勤めという収入源があり、しかも好きなこともできるのであれば、会社を辞める必要はまったくないと思う。ただ会社の仕事が忙し過ぎて、自分のやりたい事、天から与えられた使命を全うできないのであれば本末転倒だろうけど。

イケハヤが大嫌いなあなたへ【湯川鶴章】

イケダハヤトさんは、僕が尊敬する若き友人の1人です。彼がネット論壇に登場したころから彼には注目していましたし、今日でも彼のぶれない主張に一目置いています。 イケダさんの主張や価値観の背景には、経済が右肩上がりで成長を続けてきた時代はそろそろ終わりという現状認識があります。どうあがいても20世紀後半のような経済成長を望めないのであれば、なんとか経済成長を果たそう、所得を増やそうと無理をするより、自分らしく生きよう、というのが彼の主張です。お金に縛られない生き方をしようという提案です。お金に縛られないようにするにはどうすればいいのか。効率よく高収入を得ることを目指し就労時間を減らして好きなことをするのか、それとも支出をギリギリまで減らして好きなことをするのか。もしくはその両方。そうすることで自分と仲間を大事にし、社会に貢献するような生き方をしよう。それがイケダさんの主張です。 僕には、この主張や価値観に問題あるようには思えません。それどころか、イケダさんのような価値観が今後社会の主流になっていくように思います。 その理由は2つあります。1つは、若い世代にはイケダさんと同じような価値観を持っている人が非常に多いから。若い世代がこれから社会の中心になるにつれてこの価値観は広まっていき社会の主流になるのだと思います。「いや、そうとは限らない。団塊の世代は60年代には愛だ、ピースだ、革命だって騒いでいたけど、結局大人になった。今の若い世代も経験がまだ足りないだけ。彼らもいずれ大人になる」という反論があります。 確かにそうかもしれません。でも2つ目の理由から、こうした価値観が今後主流になるのはほぼ間違いないと私は確信しています。 その2つ目の理由とは、イケダさんを批判する人たちが非常に感情的になっているからです。年上の世代が若い世代に意見をするのなら、もう少し丁寧な大人の態度で接すればいいものを、口汚く罵る人が多いのに驚きます。 そこまで感情的になる必要はないだろうというほど、感情的な非難を多くみかけます。人は、自分が心の奥底に隠し持っている感情、押さえ込んでいる感情を指摘されると、感情的になります。感情的になっている人たちは、心の底にイケダさんのように自分らしく生きたいという気持ちを隠し持っているのでしょう。でも家族のことを考え、嫌な上司や取引先に頭を下げ、生意気な部下からつきあげをくらう毎日。そうした現実の日々をなんとか生き抜くために、自分らしく生きたいという気持ちを抑えこんでいる。なのに、イケダさんはそこを突いてくる。「本当はあなたも僕のように自由に生きたいんじゃないですか」って。 だから感情的に反発したくなる。「若いお前に何が分かる」「中間管理職の悲哀がお前にわかってたまるか」「好きで社畜になっているわけじゃない」・・・。 つまり心の中にはイケダさんと同じような価値観を持っているからこそ、感情的になっているのだと思います。 つまり若い世代の心の中にも、その上の苦悩する世代の心の中にも「自分らしく生きたい」という思いは存在するのです。社会が豊かになり、自己実現の追求が可能になってという背景もあります。東北大震災を経験して人生の意味を問い直した人が多いのかもしれません。理由はどうであれ、社会は「自分らしく生きる」という価値観のほうに流れ始めたのは間違いないと思います。 今は、イケダさんを非難する人の声がネット上では優勢のように見えますが、実際にはイケダさんの考えを支持する人のほうが多いのではないかと思います。イケダさんの支持者は、既に自分らしく生きる人生を手にしているので、感情的に意見を表明する必要がないのだと思います。 イケダさんのような「自分らしく生きる」という価値観が、目に見えない世界を信じる真理感につながっていき、今後の社会を読む上で重要な大きなうねりになる、という未来予測が私の新刊本「未来予測 ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰」の主張の核になっています。 この本の「あとがき(解説)」を投資家でカリスマブロガーのやまもといちろうさんにお願いしました。やまもとさんと、イケダさんと言えば、ネット上で論戦を繰り広げることもあるのですが、この本に対する反応は意外にも二人とも一致していました。 自分らしく幸せに生きていける人たちはいい。でもそうでない人たちの救済はどうするのか。それが二人の反応でした。ひょっとすると二人には、似たところがあるのかもしれません。 私は二人と違って、基本的には他人を変えることなどできないと考えています。変えることができるのは自分と自分の未来だけ。互いの学びを助け合うために議論は私も大好きですが、価値観が異なる人との議論はほとんどの場合、不毛だと思います。特に自分を相手に認めさせたいという思いを持っている人との議論は、時間の無駄以外のなにものでもありません。 ほとんどの人が自分を成長させるために日々を生きています。ここまで成長したからもういい、というレベルに達している人はまずいなくて、だれもが自分の心の奥の怖れと向き合いながら毎日を生きています。とても人の成長を心配できる余裕などありません。そんな余裕は本来ないと思います。 他人のためにできることで最も効果的なことは、自分1人だけでもいきいきと生きることだと思います。その姿を見ることで周りの人がいい影響を受ける。背中を見せる。それが最も効果的な教育だと思っています。他人の成長を積極的に支援するには、よほど大きな愛がないとできないと思います。多くの場合、相手を成長させてやるという気持ちは、思い上がりであり自分を認めてもらいたいというエゴの可能性があります。 まずは自分の救済を目指すこと。そのことが、周りの人の救済につながるのだと思います。人の行動を変えるのは北風ではなく、太陽なのだと思います。

流れが先で構造が後だとコミュニティは継続される/CODE for AIZU(後編)【鈴木まなみ】

コミュニティって作るものではなく、エネルギーの流れから浮かび上がってくるものだと思うんです。」   こう語るのはCODE for AIZUの藤井さんです。「おもしろい人、すごい人は地方にこそいる!」っと、いろんな人から聞きますが、私にとって藤井さんはその1人でした。正直なところ変態ですw(もちろんいい意味で)。前編「ITとローカルコミュニティとは融合する?!」ではCODE for AIZUのローカルコミュニティとの交わり方についてレポートしましたが、後編は藤井さん独自のコミュニティ論を、会津での活動と照らし合わせながら紹介したいと思います。 シビックテック活動をいろいろと取材する中で、「コミュニティが大切」という言葉をよく聞きます。そして「いいコミュニティってどうやったら作れるのか?」という言葉を聞くこともあり、その言葉にちょっとした違和感を持っていました。 コミュニティという言葉の意味は社会の流れに応じて変化しています。自治会などに代表されるような地縁型のコミュニティからはじまり、NPOに代表されるようなテーマ型のコミュニティが阪神淡路大震災を契機に多く発生しました。そして今、ITが発達するに従い、オンラインコミュニティなども発生し、マーケティング手法の一つとして表現されることもあります。 IT界隈で「コミュニティ」という言葉を使うと、どうしてもオンラインコミュニティをイメージし、マーケティング手法的なイメージをしている人が多いと感じています。だからこそ顧客の囲い込み的な意味合いで「コミュニティを作る」という言葉がでてきているのかな?っと。 ただ、シビックテック活動における「コミュニティ」は、マーケティング手法的な意味ではないと思うので、無理に作るのは違和感があり、個人的には作るというよりも自然にできるもので、コミュニティ活動は「活動のサポートする。きっかけをつくる。」というスタンスがとてもしっくりきます。今回の藤井さんの考え方、活動を聞いて、そんな思いがさらに強くなりました。 藤井さんの考え方が唯一の正解というわけではないですが、一つの考え方として、コミュニティに興味がある方は知っておいて損はないと思っているのでご紹介したいと思います。   物事は3つに分けると理解しやすい 継続されるコミュニティの話に入る前に、まず、物事を理解する際のコツについて伝授してくださいました。そのことは、様々な活動をしていく中で物事がうまくいかなかった時に、何故うまくいかなかったのか?何がよくなかったのか?が自分の中でハラオチし、PDCAサイクルを回す際に役に立つそうです。 一番最初にベクトル(方向)について考えるきっかけとなったのは、アップルの創始者スティーブウォズニアックの「Happiness=3F(Food、Friends、Fun)」という言葉とのこと。 人生の目的は幸福であり、それは食べ物、友達、楽しみが揃ったところにある。というものです。 スクリーンショット 2015-06-24 18.25.15 3軸表現例 「世の中がこうなっているからなのか、人間がそう分けやすいからなのか、なぜか3つに分けたがるようです。この3つのベクトルに分けるという考え方は、実は中学校でも習っているんです。 ・フレミングの法則:「電流」「磁力」「力」 ・三権分立:「行政」「司法」「立法」 これらが共通しているのは […] Read More

ITとローカルコミュニティとは融合する!?/Code for Aizu(前編)【鈴木まなみ】

「口だけでなく手を動かしてきましたがダメでした。今は足を動かしています。活動から2年がたった今、たどり着いた先は自分たちが地元の活動へ顔をだすということです。」 これは、2015年3月29日(日)に行われた「CIVIC TECH FORUM 2015」の「ITとローカルコミュニティとは融合する!?」というセッションで登壇されたCode for Aizuの藤井さんの言葉です。 私は藤井さんの言葉をきいて、北海道で地域活動している友人のこの言葉を思い出しました。 「地域にはいくつもコミュニティがすでに存在しているもの。テクノロジーを有効に活用するには、新しいものを作るのではなく、すでに存在しているコミュニティの中にはいり、問題を解決していくといいのかもしれない。」 Code for Aizuは、最初は自分たちの言葉で発信や活動をしていました。けれど、それではうまくいかず、試行錯誤の結果、まさに「コミュニティの中に入る活動」が導き出された気がしたのです。その部分をもっと詳しく知りたいと思い取材してきました。この記事は「CIVIC TECH FORUM 2015」でのお話だけでなく、独自に取材した内容も盛り込んでいます。   自分たちの言葉で発信や行動を繰り返しても地域とは交流出来ない Code for Aizuでは、「オープンデータ・カフェ」という場を作り、オープンデータに関するインプットやディスカッションを通じて、サービス創出に向けたアウトプットを目指すオープンな勉強会を開催していました。第1回目は2013年9月に会津大学にて行われ、第2回、第3回…と第8回まで続きましたが、会を進める毎にある問題意識が生まれたそうです。それは、「オープンデータに興味のあるIT関連の人達は集まるものの、実際に利用するであろう地域の人達の意見を聞ける場になっていないのではないか」という問題意識です。 また、地域を良くするためには口だけではだめなので、手を動かしていこうとOpenAppLabという「学生や市民がアプリ開発を学ぶ場」を作りました。そこでは、オープンデータを使って複数のアプリを生み出しましたが、使ってもらえるものはあまり生み出せなかったそうです。ただ、アプリを作ったことで気付きがあったとのこと。 「消火栓アプリを作ったことで消防団の方との会話がうまれ、地域で活動している方はどんな情報が欲しいのか?などをヒアリングすることができました。また自分たちがどんなことができる団体なのかの伝えることができたと思っています。」(藤井氏) 実際に作られた物があると、意見ってもらいやすいですよね。作られたサービス(アウトプット)は、たとえ使われなかったとしても、市民とのコミュニケーションを得られる一つのきっかけとなり、自分たちがどんなことができるのか伝えることができたのであれば、それはとても大きな成果だったのではないでしょうか? 手を動かすというのはアプリを作るだけではありません。コードがかけなくてもExcelは使えるという人は多いのではないでしょうか? 「町内会の会員でのやりとりを紙でやっていたので、これをExcelに落とし込んだんです。そしたらとても町内会の方に喜ばれました。その時に”これこそシビックテックだ!”と気付きました。」(藤井氏) […] Read More

ライブドア上場廃止からLINE上場まで。元ライブドア社員は何を見て何を感じたか【書評】

▶ホリエモンの悪口でなくても出版できる時代に 「LINEする」と動詞になるほど、われわれの生活に浸透したメッセージアプリLINE。その開発元の株式会社LINEは今年秋に1兆円規模とも言われる大型上場を予定するなど、その成功が世間の注目を集めている。ところが、LINE株式会社がライブドアの遺伝子を受け継いでいることは、業界関係者ならいざしらず、世間一般的には意外と知られていない。 ホリエモンこと堀江貴文氏が逮捕され上場廃止になったライブドアはその後、韓国系のIT企業NHNに買収、統合され、そこで開発されて成功したのがアプリLINEだった。そしてアプリ事業を中心にNHNから独立したのがLINE株式会社である。なのでLINE株式会社には出澤剛代表取締役を始め、ライブドアの元社員たちが多数在籍し、活躍している。LINE株式会社の中にはライブドアのDNAが色濃く残っているわけだ。 僕自身も、ライブドア時代からの友人がたくさんLINE株式会社で働いているので、ライブドア事件のことやLINE成功の裏話など、折にふれて聞く機会がある。ただ彼らは苦労話を冗談交じりにさらっと語るだけ。LINEの成功に関してもみな非常に謙虚で、ただ淡々と目の前の仕事に取り組んでいるだけのように見える。 事件後は、悪の権化のように世間から扱われたライブドアである。相当の苦労があったはずだ。その辺りをじっくり聞かせてもらいたいと思っていたら、友人の小林佳徳氏が「社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話」という長いタイトルの本を書いて、献本してくれた。まさに僕が聞きたかった「中の人」の本音が綴られた本になっている。 小林氏は2003年5月から2006年3月までと、2006年7月から2008年12月まで、ライブドアに2度在籍している。8年前のライブドアショック直後にもこのような本を書こうとしたのだが、「ライブドアに裏切られた」「堀江社長はひどかった」というスキャンダラスな暴露本的な内容を出版社から要求されたので、そのときは出版を断念したのだという。 やはりこの本は、今だから出版できる本だと思う。 ▶マスコミとは異なるホリエモンのイメージ 当時は、急速に力を持ち始めたインターネット産業に対する警戒感や恐れが、社会に蔓延していたのだと思う。当時新聞記者であった僕も、ネットに関する原稿を書くたびに「ネットの負の側面も必ず入れてほしい」と編集者から要望されたものだ。年齢が高く社会的地位のある人ほど、ネット企業に対して否定的な見解を持っていたように思う。自分たちが築き上げた社会の秩序を、ネット企業が壊すのではないかという恐れがあったのだろう。 その恐れをベースにした社会の好奇心にうまく乗じて、堀江氏は時代の寵児になっていった。ただベースにはやはり恐れがあったため、最後には社会は「出る杭」である堀江氏を叩いた。個人的見解を言わせてもらえば、事件の本質を僕はそのように理解している。というのは、堀江氏が犯した罪(過失?)に対して課された代償は、あまりに大き過ぎるからだ。 僕の個人的なとらえかたを裏付けるように、本を読むと、ライブドアの社員たちは、純粋にネットビジネスが好きでがんばっていたことが分かる。小林氏は「自分が知る限り、一緒に仕事をしていた同僚、仲間で、後ろめたいという意識で仕事をしていた人間は一人もいなかった」という。 堀江氏の実際の様子に関しても、マスメディアが伝えるイメージとは大きくかけ離れていたようだ。マスメディアは堀江氏が「金で買えないものはない」と常に豪語していたかのように伝えたが、小林氏によると、社内でそういう発言をしたのを、見たことも聞いたこともないという。また女性を連れてチャラチャラしているイメージもあるが、そういう事実を社内で聞いたことはなく、小林氏が持つ堀江氏のイメージは、「いつも仕事をしている」ということしかなかったという。マスコミが元社員に「ひどい社長だったんじゃないですか」と質問するのを見るたびに「分かってないな」と思ったという。「明らかに悪いことを、分かってやるような腹黒い人だと思ってことは一度もない」と小林氏は語っている。 少し引用しよう。 「堀江さんのすべての言動について納得できていたわけではない。ただ、彼のことを好きだったか嫌いだったかと聞かれれれば、好きとか嫌いとかの次元というよりも、とにかく『すごい』の一言に尽きる。目的達成のためには手段を選ばず、前例があろうがなかろうが臆することなく、常にド直球勝負。だが、単に無謀だったわけではない。人一倍の努力あっての即断であり、それで結果がついてきていた」。 本の中では、堀江氏の自由な発想が社風となり、固定概念に一切とらわれず、ネットサービスを迅速に作っていくライブドアの社員たちの様子がいきいきと描かれている。力の限り仕事を楽しんでいる若者たちの姿が描かれている。小林氏は、それをライブドアの遺伝子と呼ぶ。 一方で、その社風が加速し始めると小林氏は危機感を感じ始めた。小林氏は当時の上司である出澤剛氏(現LINE代表取締役)と次のような会話をしている。 小林氏「出澤さん、会社はいま、どんどん有名になっていっていますけど、いろいろなところが未整備のまま進んでいます。このままじゃ、いつか会社が破綻するんじゃないですか?」 出澤氏「確かにそうかもしれない。でも、ここまで来てしまったら、オレはこのまま、どこまで成長していくのかを見届けてみたい気もする。それが正直なところだよ」 そして小林氏の危惧通り、堀江氏率いるライブドアは一旦破綻してしまう。 ただ固定概念にとらわれず力の限り仕事をするというライブドアの遺伝子は残った。 ▶LINEに引き継がれたライブドアの遺伝子 本の中で、IT業界で活躍するライブドア出身者の名前と肩書がリストアップされているが、圧巻である。当然LINE株式会社に残った元ライブドア社員が最も多く、出澤剛代表取締役COOを始め、田端信太郎上級執行役員、池澄智洋執行役員、落合紀貫執行役員、佐々木大輔執行役員ほか、多数の元ライブドア社員が今日もLINE株式会社の中枢に在籍し活躍し続けている。そのほかのIT企業にも、あの人もそうなのか、この人もそうなのか、というほど、数多くのライブドア出身者が参画しており、ライブドアの遺伝子が各方面で大活躍していることを再確認できる。 ライブドア事件は、日本が情報化社会という新しい社会を築くための「産みの苦しみ」だったのかもしれない。その苦しみがあったからこそ、その遺伝子はLINE株式会社という新しいステージで、力強く、しかも謙虚に、活躍できているのだと思う。 日本の情報化社会へ向けた歴史の1ページを知るには、最適の本となっている。 【お知らせ】 […] Read More

人工知能インフラまもなく完成。勝負は次のフェーズへ

最近人工知能(AI)の講演をしたり意見交換をすることが増えているんだが、少なくない数の人たちから「AIって確かに大きな変化のように思うけど、でも自分には関係なさそうだなあ」という意見をよく聞く。「大手企業や、天才エンジニアにとっては飛躍の時代かもしれないけど、普通のベンチャー企業にとっては打つ手がなさそうですよね」と言うベンチャー経営者もいた。「天才は再現性がない。AIってせっかくのチャンスなんだけど日本はこのチャンスを活かせないかも」と嘆く投資家もいる。 ▶今はインフラ整備のフェーズ 確かに今は一部の天才エンジニアを抱えるベンチャー企業や資金力を持つ大企業が活躍するフェーズなのかもしれない。天才エンジニアと対抗して最先端の人工知能技術を磨き続けるのは大変だし、大企業と資金力で勝負するのも無理だ。 今はどのようなフェーズなのかというと、インフラ構築のフェーズなのだと思う。米国の西部開拓時代のゴールドラッシュに例えると、鉄道が敷かれ、採掘に使うツルハシなどの道具が製造されたフェーズだ。一攫千金を夢見てサンフランシスコに集まった若者たちに、じょうぶで破れない作業着を売って大儲けしたのがリーバイ・ストラウス社で、その作業着はジーンズとして世界中に広まったのは有名な話だ。 IBMは高性能コンピューターWatsonに医療情報を蓄積し、それをアプリ開発者たちにバックエンドで提供し始めた。ソフトバンクのロボットpepperもWatsonのサービスの一部を利用している。pepperがWikipediaに載っているような情報を何でも知っているのは、Watsonとつながっているからだ。IBMは、Watsonをいろいろなアプリやサービスのバックエンドで動くインフラにするつもりなのだ。 また米国では、人工知能をASPとして提供するベンチャー企業も数社登場している。6月中旬に取材してきたwise.ioというカリフォルニア州のベンチャー企業は、マーケティングに特化した人工知能、機械学習のASPを提供している。クライアント企業は、関連するデータをwise.io社に提供し、「この商品を購入する人の属性は?」「30代男性にはAの広告とBの広告のどちらが効果的か」などといった質問を設定するだけ。あとはwise.ioの機械学習システムがデータを使って学習し、答えを出してくれる。同社には既に大手自動車会社や、大手ECサイトなどがクライアントとして名前を連ねているという。あるECサイトでは試験的に自社のデータをwise.ioに提供し、より売り上げが上がるようなサイト表示の方法を依頼したところ、このECサイトのデータサイエンティストよりも、wise.ioの機械学習システムのほうが高いパフォーマンス結果を出したという。 「今後データサイテンティストの仕事は、どんどん少なくなっていくでしょうね。われわれのようなサービスを利用することで、人工知能や機械学習の仕組みを詳しく理解する必要がなくなるからです。それよりも人工知能や機械学習のシクテムにどのような質問をすべきか、売り上げを上げるには人工知能をどう利用すべきか、などといったことを考える力が必要になってくるんだと思います」とwise.ioのJeff Erhardt氏は語っている。 日本を代表するAIベンチャーのプリファード・ネットワーク(PFN)の西川徹社長も人工知能はインフラになり、今後はそのインフラにどのようなサービスを載せるのかの勝負になると言う。「われわれはネットワークに人工知能を搭載し、インフラを構築していきます。その上に載せる各種アプリを、多くのサードパーティに開発してもらいたいと思っています」と西川氏は言う。 確かにゴールドラッシュで最も儲かったのはリーバイ・ストラウス社などのインフラ側かもしれないが、実際に金塊を掘り当てた採掘者も多かった。人工知能インフラが構築されたあとには、多くのビジネスにとって多くのチャンスが開かれるのだと思う。 ▶正のスパイラルを作れ さて人工知能がインフラになると仮定した上で、どのようなビジネスをその上に構築すればいいのだろうか。人工知能と言っても、人によって定義が異なる。急速にできるようになったこともあるが、できないこともまだまだ多い。そんなマダラ模様の中で、共通するビジネスの形って存在するのだろうか。 あるとすれば、それは「正のスパイラルを生むビジネス」ということになるのだと思う。いったん正のスパイラルを生んでしまえば、後発は簡単に参入できないからだ。 人工知能の進化を受けて急速に発展しそうな領域の1つに、バイオの領域がある。東大発の遺伝子検査ビジネスの株式会社ジーンクエストや脳波検査ベンチャーのニューロスペース株式会社など、バイオ関連のベンチャー企業を何社か取材したが、彼らは全員、この正のスパイラスのことを既に理解していた。 遺伝子や脳波の検査を提供することで、データが集まる。膨大なデータが集まれば、人工知能を使ってそれを解析することで新たな知見が手に入る。今まで分からなかった遺伝子や脳波と疾患との関係が分かるようになるかもしれない。睡眠中の脳波を検査することで、睡眠とダイエット、睡眠とスポーツに関する新たな知見が見つかるかもしれない。新たな知見をベースに、よりよい製品やサービスを提供できるようになるだろう。よりよいサービスが提供できれば、さらに多くのユーザーが集まり、さらに多くのデータが集まる。そしてさらに多くの知見が手に入る。さらに多くのユーザーが集まる。これが正のスパイラルだ。 これまで医療品やサービスに関する検査や臨床試験は、数百人から数千人規模の被験者の協力を得て実施するものがほとんだだったが、検査デバイスの低価格化やウエアラブル化の波を受けて桁違いに多くの被験者が集まる時代になっている。Apple Watchだけでも300万人近くのユーザーの日々の心拍データを収集できている。ここまで多くのデータを集めることはこれまで不可能だった。また、ここまで多くのデータの解析には当然人工知能が必要となる。医療、ヘルスケアの領域は、人工知能によって今まさにブレーク寸前の領域だと言えるだろう。 ▶遺伝子検査は既にレッドオーシャン 正のスパイラルが確立すれば後発は簡単に参入できないと書いたが、参入が不可能なわけではない。 先行企業がユーザー獲得に手間取っているようであれば、よりよいサービスをより安く提供することで後発が先行企業を一気に抜き去ることはもちろん可能だ。 バイオベンチャーLPixel株式会社の島原佑基氏は「遺伝子検査はいずれ大手が無料で提供するようになると思います。もう既にレッドオーシャンだと思います」と語る。個々人の遺伝子情報が分かれば、その人にあった医療やヘルスケアサービスを提供できる。ものすごく大きな市場が待っている。その大きな市場を狙って、大手企業が資金力にモノを言わせて遺伝子検査を無料で提供してくるようになるだろう、と島原氏は読むわけだ。確かに、Googleなどの大手が無料で遺伝子検査を提供してきても不思議ではない。 ではなぜ今、Googleが無料で遺伝子検査を提供しないのだろうか。それはまだ遺伝子検査では、疾患との関係が十分に分かっていないからだ。「遺伝子だけでは何も分からない。そういうことが分かったんです」と、7月から東京大学からハーバード大学の研究所の移籍することになっている生物学者の佐々木浩氏は言う。「今の遺伝子検査サービスでは、1個の遺伝子で確実に病気になるというケースのものは見つけることはできますが、それ以上のことは今のところほとんど分かりません。特定の病気に関する検査としては、コレステロール値や中性脂肪値を調べる検査と同様のものであり、今のところはそれ以上のものではないように思いますね」。 身体のメカニズムは複雑で、1つの遺伝子がすべてを決定するわけではないことが分かってきた。DNAだけではなく、RNA、タンパク質、細胞、臓器など、生命ネットワーク全体のメカニズムがよりよく解明されないと疾患を予測できないのだという。そしてこの領域にブレークスルーを起こすのは、人工知能だ。「人間の手に負えない量のデータを、人工知能や機械学習を使って解析し、パターンを見つけるという研究が今、非常にホットになっています。特にDNAに加えてRNAとか、その周辺のタンパク質のデータなど加えたビッグデータを人工知能で解析しようという動きが盛んです。研究としてはホットですが、まだ産業にまでは降りてきていません」と佐々木氏は言う。 GoogleやDeNA、ヤフー・ジャパンなどが遺伝子検査ベンチャーに出資しながらも、無料で検査を提供するまでに至っていないのは、この領域の研究の進化を待っているからなのかもしれない。動かざること山の如し。機が熟すのをじっと待ち、いったん人工知能がブレークスルーを起こせば、風のごとく動き、火のごとく市場を奪うつもりなのかもしれない。 ▶今ある技術でユーザーを獲得する […] Read More